「泥臭い努力」と「宝くじ」

努力なんてしたくないだろ、常識的に考えて…

という声が聞こえてくる今日この頃。

まぁその気持ちもわかりますが、少しお読みください。

500点満点を取るために出題範囲の全てを覚えきる。

少しでも打率をあげるために、毎日バットの素振りを腕が上がらなくなるまでやる。

課題曲を毎日ノーミスで弾けるまで引き続ける。

これはまぁ一例ですが、何かに秀でたことを成し遂げようと思ったら、努力が必要です。

しかし、この努力というのが実に厄介なのです。

なぜなら、努力が実を結ぶとは限らないからです。

まだ挑戦したことがない人は、やってみるとわかると思います。

果たして、これだけの時間と情熱を注ぎこんだとして、これが一体何になるというのだろうか。

本当にこの努力は実を結ぶのだろうか?

努力し続けている間、私はずっと不安です。もし、これが実らなかったらどうしよう、などとそんなことばかり考え続けてしまうのです。

しかし、やはり成功するためには努力が必要なのです。

なぜなら、努力した者が報われるのではなく、報われた者はすべからく努力をしているのです。

それも泥臭い努力です。

泥臭い努力

例えば、先に挙げた例で言えば、500点満点を取る場合、出題範囲の全てを完璧にしなければなりません。単語や細かい文法、教科書の隅っこに載っているような細かなところまでです。

覚えたって仕方のないことばかりでしょう。事実そうだと思います。しかし、それでも上を目指すなら避けては通れないのです。

大事なことを言います。

泥臭い努力こそ、身を結ぶのです。雨風に打たれ、焼け付く陽ざしに身を焼き、汗をかき、体中、傷だらけになりながら、それでも泥土の中を歩むような努力こそが結果に結びつくのです。

最近はとかく効率を重視しがちです。

例えば日本料理で身を立てようとした場合、学校を卒業した後、実際に料亭で働きながら師匠となる人物から指導を受けます。

最初は厨房の皿洗いからはじまり、包丁研ぎ、掃除、野菜の皮むき、下ごしらえと、この下積み生活が1~2年、そして焼き2年、蒸し物2年、揚げ3年…といったように、一工程を習得するのにも年単位の時間がかかるのです。

事実、日本料理やフランス料理など、料理の種類も豊富で調理技術も多様に必要とされる分野ならこの程度はザラにかかるといいます。

しかし昨今は、中には下積みを経ず成功してメディアに躍り出てくる人物もいます。調理師学校を卒業してすぐに目新しいことに手を出し、それが人の目に留まり出資を受けてお店を開く。トントン拍子にことが進み、一躍、時の人へ…!

有名なユーチューバーもそうでしょう。時代の流行に上手くのり、結果的に成功者となっている。

最近では小学生のなりたい職業ランキングの中にもユーチューバーが入ってきているみたいですね。

この風潮はまさに、最短ルートで突き進み、なるべく楽をして稼ぎたい、有名になりたいということの表れでしょう。

そうなれれば、どれほど良いことでしょう。

私もそれは否定しません。

しかしですね、皆が皆、そのやり方で成功するのでしょうか?

宝くじ、そして、コネ、金、運に身をまかせて

私が考え、名づけたもので「宝くじ理論」というものがあります。

当たりがある以上、宝くじで1等○億円が当たる人は必ずいます。

これは、運やつぎ込んだ金額で確率も変わるかもしれませんが、当たる人は必ず出てきます。

これと同じで、例えば芸人を目指したとして、必ず売れて、番組を担当するような人は出てきます。

総理大臣を目指したとして、誰かは必ずその地位に就くことができます。

なぜか。

その場所が空いているからです。

空いている以上、必ず誰かが座ることができるのです。当たりがある以上、必ず誰かが当たるのです。

そして、厄介なことに運や境遇、コネのおかげて大した努力もなく、ぽんと成功する人が出てくるのです。

面白いもので、そういう人たちに限って、メディアが取り上げ、彼はセンスで成功しただの、実力があっただのと祭り上げ、多くの人に知られるところとなるのです。

それを見れば自分もそのようになりたいと思うのも当然です。

楽して稼ぎたい、有名になりたい、ズルしたって自分も簡単に成功したい、と思うのも当然です。

なので、そう思うのなら、楽なやり方で成功できるか挑戦してみるのも一つです。

もしあなたが楽々と成功したのなら、あなたにはセンスも実力も運もあって、成功するべく成功したのでしょう。

それはとても良いことだと心から思います。

しかし、成功することは簡単なことじゃない、やはり努力が必要だと思ったのなら、一歩一歩前に進むしかないのです。

転げ落ちるのは一瞬

水は低きに流れ、人は易きに流れます。

勉強のために10分だけ机に向かうのは多大なる苦痛を感じるくせに、ラーメン屋の行列には平気で1時間も並んだりします。

それが人間というものです。

そしてもう一つ大事なことです。

この世界には重力が存在します。

上に行くには重力を振り切って飛び立ち、登り詰めねばなりません。

何もしなければ、ずるずると落ちるばかりです。

私の恩師が言っていました。

現状維持は、後退と同じだ。と。

何もしなければ、ズルズルと下に落ちるのです。

先ほど重力が存在すると言いましたが、これは何も物理的に体に負荷がかかることだけを言ったのではありません。

人の意識や心構えとて、重力の影響を受け、少し力を抜き、このままでいいやと思えば重力に押しつぶされてしまうのです。

上を目指してこそ、今のランクに留まることができるのです。

私は多くの人を見てきました。

例えば、苦労して入社した会社を1か月で辞めた友人がいます。

彼は入社までに多くの会社を訪問し、ようやく希望の会社に採用を貰えたと喜んでいました。

入社までに必要な資格試験の勉強もこなし、無事に資格も取得でき、喜んで4月の入社を迎えました。

そして、どうも思っていたところと違ったようで、彼はあっさり辞めてしまいました。

彼に何があったかわかりません。

1か月で辞めたことを、ここで否定するつもりもありません。

もしかしたら本人にしかわからない、何か特別な苦しみがあったのかもしれません。

ただ、ここで注目すべきは時間と労力です。

就職活動開始から入社まで1年。

退職まで1か月。

坂道と一緒です。

登るときは、えらく時間もかかり体力も使うくせに、下りになるとスイスイ降りられます。

重力が働いているので、必然こうなってしまうのです。

他の例では、何年もかけて苦労して立ち上げた会社社長の話ですが、会社を取り巻く環境が急変し、急変後わずか2か月で倒産となりました。

株価なんかでも同じことが言えますね。

登り100日、下げ3日といって、コツコツと上昇してきた株価が、たった数日で元の値段まで暴落する。そしてこの暴落に巻き込まれて大損してしまう。

落ちるとき、崩れるとき、というのはとても早いものです。

落ちないようにまずは、現状維持すること。

そして、その現状維持を望むなら、上を目指すことで、ようやく現状に留まれることでやっと維持されるというもの。

故に努力を怠らず、上を目指しましょうということです。

まぁこればかりは経験しないとわかりませんが、死なない程度に痛い目に合って、転げ落ちてみるのも人生経験としてはアリかもしれません。

最後に…至高の言葉を

私の気に入っている言葉を記しておきます。

素晴らしい名言なので、頭のどこかにでも置いておいてもらえれば幸いです。

将棋棋士:羽生善治

何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションを持って継続しているのは非常に大変なことであり、私はそれこそが才能だと思っている。

作家:貴志祐介

小説:「新世界」より

皆さんは諦めが早すぎる。我々の種族は心臓が鼓動を止める、まさにその瞬間まで逆転する方法を探し求めます。それが無駄な努力に終わったところで失うものはありません。

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